No.6
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#[アルベド]夢主が爆誕したかもしれない。以下SS。
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ファルカが西風騎士団団長になる前の話だ。とある小さな荷物が西風騎士団のアルベド宛てに届けられたことがある。その荷物は厳重に封がされ、アルベド以外は誰も開けないようにと注意書きがされていたこともあり、モンド城で生活していたアルベドがその荷物を取りにまでは団長の机の上にひっそりと置かれたままだった。
アルベドはその荷物を受け取って、一人で中身を確認したあと、荷物は自分が引き受ける旨を伝え、そのまま静かになった。アルベドが首席錬金術師となったのはその後のことであった。
アルベドがドラゴンスパインに自らの実験室を用意して生活するようになったのはいつからだっただろうか。アルベドはいつくかの実験設備の中に紛れるようにして、かつて彼宛てに届いた荷物から小さな卵を取り出した。小指の爪ほどの小さな丸い、白い塊はまさしく卵であった。光に透かすとわずかに何かの形が見える。時折脈打つように。時折胎動するように。その小さな塊は動いていたのだ。アルベドはその塊を丁寧に培養液の中につけて、そして長い時間をかけて見守った。
およそ百年の時を経て、卵は孵る。その中から生まれたものは人間の形をした何かであった。首元には大きな鰓があり、骨は小さく脆く、皮膚は弱い。人間の形をある程度保っているものの水の中から出せばすぐに死んでしまう、原初の生命である。
当時は性すらも不明であったが、後に彼女と判別する彼女は、まさしくアルベドの妹ともいえる存在であった。
試験管の中で育った小さな子供はリラと言う名前を授かった。誰が与えたわけでもない、アルベドがふと思いついた名前であった。
「リラ」
空中から水中へは音はなかなか伝わらない。ましてや、培養層のガラスに区切られた空間ではなおのことだ。アルベドの言葉はリラには届いていない。リラは大きな目をぱちくりとさせて、アルベドがするように口を開いて、閉じた。お互いに何を言っているのかはわからなかった。そもそもリラが言葉を発しているのかもわからない。ただ、アルベドの真似をして口を開け閉めしただけの可能性もあった。
卵が孵るまで百年、そしてそれからさらに五十年の歳月を待つ。リラは徐々に大きくなっていく。大きく、同時に鰓が小さくなり、薄っぺらかった胸の中で肺が膨らみ、皮膚が頑丈になり、そして骨が陸上動物のそれに近しい成分になっていくことをアルベドは逐次観察していた。
あるとき、リラは培養層の上層にわずかに入り込んでいた空気に触れた。初めは痛みを感じたのかすぐに手を引っ込めてしまったが、そのうちに長く長く空気に触れるようになったので、アルベドはついに培養槽の蓋を開けてやった。アルベドが手を伸ばすと、アルベドの小さな妹も同じように手を伸ばして、百五十年越しに、アルベドは妹の手に触れたのだった。
水槽から出てからのリラの成長は本当に素早かった。アルベドが手助けして陸に上げてやると、リラはすぐに倒れてしまった。未発達の筋肉は陸上での活動には耐えられなかったらしい。アルベドはまずリラを寝かせて、そして少しずつ筋肉を動かす訓練から始めた。同時に言葉の訓練もした。
「アルベド」
「うん、なんだいリラ」
「ボク、おもたい」
「うん」
リラの話し相手はアルベドしかいない。自然、口調はアルベドそっくりになる。アルベドは自分とそっくり同じ口調の妹がいるというのは少しばかり奇妙な気がしたので、時々「ワタシ」と言ってみた。リラも真似をした。なのでアルベドはしばらくの間「ワタシ」という一人称を使うようにすると、リラはいつの間にか「ワタシ」と言うようになったのだった。これが教育か、となんとなくしみじみする気分であった。
「リラ、文字を書いてみようか」
「うん」
リラに鉛筆を持たせると、やはりというか、リラは鉛筆の持ち方もしらない。何度もアルベドが訂正を重ねて、ようやっと持てるようになって、文字を書いて、次は文字を読んで、長い歳月の末、リラはようやっとアルベドと不自由ない会話ができるようになった。
リラは物覚えがよかった。あるいは、アルベドの教育のたまものかもしれなかった。リラはあっという間に文字を覚えて、アルベドの研究室に置いてあった様々な書籍を読みほしてしまう。半分は理解できなかったと言っていたが、半分はなんとなくわかったらしい。アルベドは静かな研究室で対話できる相手ができたことを喜んだ。
リラには面白い特徴があった。一つは身長がいくぶんか伸び縮みすること。もう一つは長いこと海の中で呼吸ができることだ。特に身長は面白い特徴であった。どうやらリラが望むと少しばかり高くもなり、望めば小さくもなるらしい。後にわかったことであるが、リラの体を構成する水分はリラがある程度自在に動かせる水元素で出来ているようだった。身長が伸びる際は細胞間に水元素が入り込み少しずつ持ち上げるようだ。
呼吸の方はさほど驚きもしない。水元素の中に多量の酸素を含ませて、それを利用して呼吸するらしい。彼女にとって水は手足を操るように使うものらしかった。畳む