No.56
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#サソリ #デイダラ #花紅葉
サソリって自分自身も操っているわけだから、もしやチャクラコントロールがうますぎて簡単な幻術だと引っかかることすらないんじゃないかという話と、デイダラはなんで左目を隠していて左目のあの機械はなんなんだという話をまとめて書いた話。デイダラの左目についてなど、なんもわからん!!!!ので、まぁそういう風に書いたんだなと思ってください。
デイダラにとっての血継限界と、そこへの強い執着についてはまたいずれ語るとしよう。
デイダラは血によって受け継がれる血継限界をひどく嫌悪していた。だからこそうちはイタチの写輪眼に美しさひいては芸術性を見出したのはデイダラ自身が許しがたいことだったのである。加えてデイダラは幻術の類がさほど得意ではなかった。それがイタチよりも劣ると言われているようでさらに腹立たしいことこの上ない。
暁に入ることになり、デイダラはサソリとなかなか顔を見せないサソリの部下と行動を共にしている。
情報収集ばかりであるのは面倒だが、まぁ仕方あるまい。時折戦うときには存分に爆破させることもできる上に、サソリの傀儡を見るのもなかなか楽しいものだった。
霧深い森の中でのことだった。
とある術に関して情報収集をしてこいとの命令を受けてデイダラとサソリ、その部下は今霧隠れにほど近い村を訪れようとしていた。
陰気な雰囲気の森が三人を迎え、足場があまりにも悪いことからサソリはヒルコから出て動いている。ヒルコは防御に特化しているものの、重いためにこういった足場が悪い場所ではとにもかくにも動きにくい。そんなわけでサソリは珍しい本体で活動している。
森の中は足を踏み入れたときから霧が薄く漂っていたが、時間が立つに連れさらに深く、視界は白くなっていく。ともすれば人の胴体と同じ太さほどの黒黒とした木を相方と勘違いしそうになるほどだ。前方を歩くサソリとその部下の姿を見失わぬようデイダラは歩を進めるが、いくら歩けども森は深い。
「旦那、いつまで歩くんだ? うん」
サソリは霧深い森の中に入ってすぐにこれが幻術の類であることに気がついた。視界を泳がすたびに、視覚を受信するチャクラがサソリの意図しない形でサソリの中のチャクラを乱そうとしているのがはっきりとわかる。
サソリは普段以上に自分の体をコントロールするチャクラを増やし、己の感覚をより鋭敏に保ちながら霧の中を進んでいった。
通常の幻術破りであっても同じように自らのチャクラを増幅させ体内のチャクラを乱すことで幻術から脱する方法は使われている。しかしサソリのようにチャクラの乱れを鋭敏にかぎ取って完全にチャクラの流れをコントロールすることは常人にはできないだろう。これはサソリが人傀儡であり、自らの体を完全にコントロール下に置いているからこそできる芸当である。明らかに精神的に負担をかける非現実的な幻術であれば、幻術と気づけるが、今回のように惑わせることが目的の場合、幻術と即座に気づくことは困難を極めた。もちろん、イタチのようなスペシャリストは別だ。
デイダラはずいぶんと長い間霧の中をさまよっていたように思う。ずっとサソリの姿を追っているが、サソリは一定の間隔で歩いて行ってしまいいつまでたっても追いつくことができなかった。もとより待つことも待たせることもしない男であることは知っているが、追いかければ遠ざかるその感覚にこれが幻術の類だと気づくとようやっとデイダラはその場に立ち止まる。
デイダラはもともと幻術が苦手である。幻術をかけるのは勿論、解除するのも正直なところあまり得意ではなかった。そこらの中忍よりははるかに幻術を解除するのも早いが、イタチのような……ここまで考えてやめた。イタチのことを考えるのは癪だった。
デイダラはわずかに唇の端を噛む。流れる血と痛みが自身の体を知覚させ、口の中ににじむ血の味でさらに感覚が内側へと研ぎ澄まされていく。そのまましばし立ち止まっていれば、やがて霧は晴れて森の空き地にたどり着いた。サソリとその部下が、空き地の一画に腰を掛けて待っている。
「おせぇ」
「うるせぇ」
サソリの言葉を一蹴する。またしてもこんなにあっさりと幻術にしてやられたと思えばこの上なく気分は不愉快だ。しかしそれ以上に、サソリがこうして座り込んで待つほど彼は素早く幻術から脱したことがやけに気になる。
「なぁ」
「うるせぇ」
今度はサソリがデイダラの言葉を一蹴しようとしたが、デイダラはそれを無視して言葉を続けた。サソリは口は悪いのだが、存外人の話をよく聞いている。いや、聞かないときもあるのだが、こっちが勝手にしゃべっていると意外と話をきちんと記憶しているのだ。サソリと話すコツは定期的に挟まれる罵詈雑言と飛んでくるクナイあるいは千本を「そうなんだね!」程度の相槌だと思うことである。
「旦那はいつ幻術だって気づいたんだ? うん」
「ああ? んなもん霧に足を踏み入れてすぐだ」
「どうやって気づいたんだよ」
「……オレは人傀儡だぞ。オレのチャクラの流れはオレが一番よくわかってる。幻術が入り込んでくれば乱れる、それを元に戻す、それだけだ」
「なぁ、それって」
「うるせぇいい加減口を閉じやがれ。縫い付けるぞ」
あいにくとこれは相槌ではない。デイダラは相当にサソリを待たせたらしくサソリはすこぶる機嫌が悪かった。サソリの罵詈雑言という名の相槌も、サソリの機嫌を見極めなければ本当にシャレにならないことをデイダラはすでに身をもって体験していたので、今回はそれ以上の追及を控えた。代わりにフードをかぶったサソリの部下に話しかけてみる。
「なぁ、お前も旦那が言ったことができるのか? うん?」
フードはしばしデイダラを見上げていたが、小さく頷いてからすぐに前を向いてしまった。
任務から戻って数日後、デイダラはサソリの部屋を訪れた。傀儡が天井からぶら下がる陰気な部屋で、可能な限り足を踏み入れたくない。それにいつもであればデイダラはあまり人に教えを請うようなことはしたくないのだが、サソリ相手は少しばかり別だった。
デイダラにとってのプライドとは芸術である。己の爆発、すなわち儚く砕け散ることそのものに美しさを覚えることがデイダラにとっての芸術だ。大半の人間はこれを愚弄し見向きもしない。デイダラはそれがひどく癪に障り、そういった人間の言葉を聞き入れようともしない。ゆえに、彼はプライドが高いと言われている。本人もそう思っている。
しかし実際のところ彼は存外素直な男だ。サソリのように罵倒しながらも、芸術家というものそのものにはある程度敬意を示すような相手を前にすると、デイダラは文句を言いながらも言葉を聞き入れるのだった。要するにデイダラはサソリのことを認めている。そして彼が年長者であり、忍としての経験が豊富であることもよく理解していた。だからこそデイダラはサソリに対しては意外と素直に教えを請うところがある。これがイタチだったら絶対にありえない光景だ。
「なぁ旦那。砂隠れでは幻術に対する訓練ってのはどうやってたんだ、うん」
日の光による損傷を防ぐため、サソリの部屋は薄暗い。窓には目張りがしており、部屋の中にはいくつかの行灯が置かれているのみだった。壁に向かって置かれた広い作業テーブルに向ってサソリは座っている。入り口には背を向ける形だった。その少し後ろにフードの部下が座っていた。デイダラが来る前はフードを外していたようだが、デイダラがノックの直後に襖を開いたときにはフードを整えていたので、少しばかり癪である。今回はそれは置いておこう。
デイダラはサソリの部屋に上がりこむと、傀儡を押しのけて勝手にサソリの後ろに陣取って座っていた。この間の任務の直後はサソリの機嫌がすこぶる悪かったので、一通り部下に話しかけていたのだが部下の方はうんともすんとも言わないので結局デイダラは諦めたのだった。サソリはしばらく傀儡造りに没頭していれば機嫌が直るので、時機を見計らってこうして部屋を訪れたわけである。
「旦那の幻術破りは少し特殊だろ。一般的にはどうしてんだ」
「本当にうるせぇやつだなてめぇは」
この返事をするときのサソリの機嫌はそこまで悪くない。今ならいけるなとデイダラは思った。
「岩隠れでは教わらなかったのか?」
「教わりはしたけど大したことはやってねぇ。特に岩隠れにはあんまり幻術に特化した奴はいねぇからな、うん。木の葉と散々やりあってた砂なら写輪眼対策も含めてなんかあんだろ、うん」
サソリは大きくため息をついてから「あるにはある」と言った。
「一般に幻術を破るには自身のチャクラのコントロール権を取り戻す必要がある。わかるな。だが普通は優れた忍びであっても体の細部に流れるチャクラの流れを感覚としてつかんでいるわけじゃねぇ。これを体に強制的に覚えさせる」
「どうやって?」
「多く使われるのは目視だな。特殊な装置で自身の経絡系を目の前で投影し続け、最終的には網膜に焼き付ける。目に見えるってのは不思議なもんでな、その通りにチャクラの流れをイメージすることで幻術を解きやすくなる。常にそのイメージがあれば幻術にはかからねぇ」
「便利だな、うん」
「問題もある。最終的に網膜に焼き付けるから、視覚がほぼ使えなくなる。光やぼんやりとした形は残るようだが、物がはっきり見えねぇそうだ。砂隠れでも大して使っちゃいねぇ。もともと弱視であったりする目を活用することはあるが、あまり勧められはしねぇよ」
「それならオイラにはぴったりだな、うん。オイラ左目があんまりよくねぇ。極端に視力に差があるせいで両目を使うと頭が痛くなるんだ、うん。それならいっそ片目はその方法で幻術対策にした方がいいな」
「……そうか」
サソリは少しだけ驚いた様子だった。
「なんだよ」
「そうは見えなかった」
意外なほどに素直なサソリの本音だった。デイダラはいぶかしむ。サソリが素直であるはずがないと疑り深く見つめているうちにサソリは話し終わったことから傀儡に向き合ってしまう。それでもなおサソリの言葉をいぶかしんで考えてから、「もしや褒められたのか?」と気づくころには傀儡を使って部屋を追い出された。肝心の装置のことを聞くのを忘れていた。
それから数日間サソリの部屋を訪れては装置のことについてしつこく聞き倒した結果、サソリがついに根負けして自分で設計図を探して来いと書庫の鍵を放り投げたのだった。口寄せによって現れるサソリの集めた書物の積み重なる書庫から望みの物を見つけるのに相当に苦労したが、結果としては労力に見合うものが手に入ったと思う。
特に今は少しばかり技術が進歩していることもデイダラにとっては僥倖であった。自身のチャクラを投影し続けるだけでなく、範囲をある程度絞れば相手のチャクラを感知できる。さすがに感知タイプほど優秀ではないが、元からあまり良い働きをしていなかった左目がまともに活用できることを考えれば十分すぎるほどだ。
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