No.48
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サソリの娘でデイダラお相手の新規連載予定の話。
#ワカ #デイダラ #花紅葉 #サソリ
赤砂のサソリという人はとにもかくにも部下の多い人だった。デイダラが見る限り、サソリは何かしらの情報を容易に集めて、あるいは人を動かして処理をしているイメージがある。
とはいえ人が好きなわけでもなく、社交性の欠片もない男なので部下というのも金に釣られたものかとも思っていた。ところが縁あってサソリの部下と出会うと、全員とは言わないがサソリへの心酔が見られるので不思議なものである。個人主義を極めたような男がこれだけ、狂信的な部下を持っているのは不思議だったが、優しさではない合理主義に救われる人間はいるのかもしれなかった。
サソリの部下であるワカもその一人であった。
ワカは必ずサソリのそばにおり、普段は黒いフードをかぶったまま顔は面簾(めんれん:顔を覆うもの)で覆っていた。フードと面簾の下では、ワカは一言も喋らず、サソリもその名前を呼ぶことがない。ワカはまるでサソリの意図することが全てわかっているとばかりに、サソリの行動に先んじて動くのでそもそも名前を呼んで指示することがない。強いて呼ぶなら「おい」である。
ワカが医療忍者であることを知ったのは、暁に入って数カ月後の任務でのことであった。ひょんなことで怪我をしたデイダラの腕の傷をワカが治してくれたのがきっかけだった。医療忍者はその習得の難易度から数が少ないため、良い部下を持っていると思った。
ワカの名前と素顔について初めて知ったのは、小南と会話をしているところを偶然目撃したからだった。小南もペインも基本的には雨隠れの里より出てはこないため直接顔を見ることは少ない。近くまで立ち寄ったという理由で小南がサソリの拠点へ足を運んだ際、ワカは初めてフードと面簾を脱いで小南に駆け寄ったのだ。
サソリが拠点に使っているのは山奥の古びた屋敷であった。これは幾つもあるサソリの拠点の一つに過ぎない。表は一切手を加えていないこと、結界を張っていることからここには誰も来ない。結界に入ると幻術と気づかぬまま、この山を抜け出ることになる。
抜けた床板を張り直した一室に小南は小さな音を立てて入ってきた。恐ろしく小さな鈴の音が四度、鳴った。デイダラは二度、サソリは一度、ワカは三度、誰が入ってくるのかがわかる。鈴の音を聞いてサソリは表にすら出てこない。部屋にいたデイダラと顔を合わせ、その後ワカが出てきたのだ。
「ご無沙汰しておりました、小南様」
「久しぶりね、ワカ。あなたデイダラに素顔を見せたことがないのね、彼、素っ頓狂な顔をしてるけど」
「サソリ様が不要であると……」
ワカは困ったように眉を寄せて小南に答えている。
「何かお出ししましょうか」
「いいえ、構わないわ。すぐに出るから。それじゃあデイダラも、また」
小南はそれだけ言うとワカの頬を撫でてから出ていった。出ていくときも三度鈴が鳴る。サソリはやはり顔を見せることはない。
部屋に残されたのはワカとデイダラのみとなった。明かりは提灯のみ、部屋の中は薄暗い。ワカはやはり困ったように眉を寄せているのでデイダラはそれが少し癪に触る。コンビを組んでいるのだから自分にくらい顔を見せてもよかろう。これがサソリへの怒りなのか、ワカへの怒りなのかは判然としなかった。
「その……申し訳ありませんでした。本当は今もサソリ様には禁じられていたのですが」
「なんでだ」
「私は、見る人が見ればわかる禁術を持っているからだと」
おそらくそれは口実に過ぎない。
「その、今はデイダラ様がいらっしゃるのに気づかなくて、小南様しかいないかと」
「……小南は随分と前から顔見知りみてぇだな、うん」
自分でも驚くほど不機嫌な声が出た。サソリが個人主義なことも知っているしお互いにそんなに干渉するまいとも思っていたが、どうにも気に食わなかったのだと思う。
「……はい、サソリ様が暁に入られた頃から、私のことを存じております。ペイン様と角都様も」
その言葉にデイダラは少し驚いた。ワカがいつ暁に入ったのか知らなかったからだ。
「……お前暁に入って長いのか?」
「私はそもそも母の胎からサソリ様に取り上げてもらったと聞いております。それ以来サソリ様と共に」
「……ってことは部下じゃなくて旦那の娘なのか……?」
先程の不機嫌さが一転して少し驚いた声になる。
「いえ、部下でございます」
「そこまでいったら娘と大差ねーだろ……うん」
ワカは譲らない、デイダラは呆れたが、なんとなくそれなら角都やリーダーもワカのことを知っているのは当然だろうし、顔も知っているのだなと納得したのだった。自分より暁入りが早いことは知っていたが、まさか生まれてからサソリのそばにいたとは知らなかった。
黒い長い髪に黒い瞳、白い肌はサソリにも似通うが、顔形はまるで異なる。サソリが取り上げたと言っても実の娘ではないようだ。経緯が気になるがあまり詳細を聞くのも憚られ、そのときはそれ以上聞くことはなかった。畳む