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No.44

SS,連載没ネタ

スイカ割り

#ハンターハンター #シャルナーク #浅き夢見じ暁の
過去編出る前の旅団の解釈なので今読むと違和感。

 なぜハルシャがシャルナークら幻影旅団と夏の海にやってくることになったのかについてはシャルナークに仔細を聞く方が早く済むだろう。何せ今回はシャルナークに騙されるような形でハルシャは海にやってきたのだから。
 この海の少し先に海底に沈んだとある遺跡があるという。この遺跡を守るように念が張られすでに何人もの遺跡ハンターが犠牲になりその骨を海に沈めたという。クロロが目をつけたのはこの遺跡の中にある、とある書物であった。念で守られた遺跡の中は水に満たされておらず遺跡が建てられた当初の環境を守り続けているらしい。その書は今は失われた陶芸の技術に関する書だそうだ。別にクロロが陶芸をしたいわけではない。この間盗んだとある陶器にかけられた特殊な念と、その遺跡の中にある陶芸の書が関係があるということで幻影旅団の一部メンバーが今こうして海に来ていた。どうせ調査は夜になるし、その前に海の状態を調べたいという理由でクロロ、シャルナーク、フィンクス、フェイタン、マチ、そしてハルシャは水着で海水浴場に来ている。
「暑いわ」
「暑いね」
「いや二人ともそんな格好してるからでしょ。ハルシャもフェイタンも上着脱ぎなよ」
 シャルナークが見ているだけでも暑そうとばかりに苦言を呈すとハルシャとフェイタンは実に嫌な顔をした。
「そんな薄い格好でどうやって私の刺青を隠すのよ」
「武器を隠せない」
「あれ、ハルシャってそんな刺青あったっけ」
「さぁね」
 ハルシャはぷいと横を向いてアイスを頬張った。フェイタンも同じくアイスをかじっている。
 ビーチパラソルの下で長そでの上着を着ている二人は汗がだらだらと出ているがそれでも上着は脱ぎたくないというのだから、これはもう仕方ないかとシャルナークは二人を無視して太陽の下に躍り出た。ちなみにクロロは長そでこそ来ていないが海に出るつもりはないらしくハルシャとフェイタンと共にビーチパラソルの下で本を読んでいた。
 まさに海水浴にぴったりの天気と言えよう。多くの人が波と海水の冷たさに騒いでいる。色とりどりの水着が砂浜を踊っている。しかしやはりマチやフィンクスの体型は見事なものだ。すでに何人もの男女に声をかけられその度に全て辛辣な言葉でマチは断っていた。本当はイヴァンも呼んだのだ。しかしイヴァンは今、学会発表か何かで国外出張らしい。マチの水着を見れないイヴァンは写真をくれと電話の向こうで泣いていたが、あいにくとそれはシャルナークにとっても命がけなのでとりあえず五千万で手を打ったのだった。
 シャルナークはビーチパラソルの下から出て海に足を漬ける。連日の暑さで海水温もそこそこに上がっており極端な冷たさは感じなかった。しかし暑さで火照った体から熱が抜けていくのは感じられた。
「それで」
「ん?」
「どこに沈んでんの?」
「割とすぐこの下だよ。ここはちょっと特殊な地形なんだ。しばらく大陸棚が続いているように見えるけどその下に洞窟がある。昔波によって削られた地形がそのまま地盤沈下して砂が降り積もったような感じかな。ほら、あの注意書きによるとあんまり遠くまでは海水浴場として開放されていないんだ。あそこから先は地面があるように見えて穴だらけでさ。水面から十メートルぐらいは平気だけどさらに下に行くと水流に飲み込まれて水中洞窟にどぼんだよ。普通は死ぬね」
「結構危険なところじゃん」
「まぁあそこをこえなければ安全は確保されてるってこと。それに最近は念能力者が関わって一般人はあのラインを越えられないようにしてるとか。だからハルシャを連れて来たんだろ」
「なるほどね」
 マチはそう言うとドボンと海の中に体を滑りこませた。シャルナークもシュノーケリングの道具をさっとつけて潜る。人が多い場所は砂が舞い上がって視界が悪かったが少し沖へ進めばすぐにクリアな視界になった。海水浴場として設定されている安全なラインはすぐに訪れ、凝をしてみればなるほどそこには壁のような特殊な何かが存在していた。シャルナークは水面に顔を出す。マチとフィンクスも同じように顔を出した。
「どう?」
「完璧じゃなさそう。でも破壊したらわかるだろうから抜け道を見つけるのが一番だろうね」
「フィンクスに割ってもらうのは最終手段か。じゃマチはそっち、フィンクスは水の中、俺はこっち調べるからよろしく」
 二人が頷いたのを確認してシャルナークはいかにもこの先に興味がありますとばかりに安全な海水浴場の範囲を示すロープと浮きに触れながら泳いでいく。この念は壁のようなものを作るらしい。一般人には確かに通り抜けることはできないだろう。しかし凝をするとその壁はかなり脆く不均一で場所によっては穴が開いている。人間が通るには厳しいがハルシャの人形なら問題ないだろう。そう、水中でほぼ無限に活動することができかつ念の被害にあっても人形だけで済むという理由でハルシャは連れてこられた。人形の貸出量は一体七千万。シャルナークはかなり値切った。ちなみにイヴァンに提示したマチの水着に関してはかなり値を釣り上げた。
 シャルナーク、マチ、フィンクスは全く仕事をしないハルシャとフェイタンとクロロをしり目に夕方までには念でできた壁の綻びと遺跡の大まかな位置などを把握し砂浜に戻ってくる。本当の仕事はこれからだが、昼間に散々調べ回ったせいで三人ともかなり疲れていた。少しぐらい休憩した上で楽しみがあっても悪くないだろうということでフィンクスが持ってきたのはスイカであった。大きなスイカが丸々三つ。どこで盗ってきたきたかは想像に難くない。
「折角だし念無しで割れるかやってみる?」
 シャルナークの言葉に乗ったのは勿論フィンクスである。ハルシャとフェイタンは速攻で嫌な顔をした。しかしまぁ今はハルシャも蜘蛛のメンバーのようなものなので、日差しの弱まった夕方の浜辺に引っ張り出されて一番手としてスイカの前に立たされたのである。
「無理」
「やってみないとわかんないじゃん」
 シャルナークは実に楽しそうだ。
 ハルシャはそんなシャルナークをじろりとねめつけてから、仕方なしとばかりに腕を大きく振り上げて、そしてバチンとスイカを叩く。
「……いや平手は無理でしょ」
「普通に殴ったらあたしの手が死ぬでしょ?」
「死んだら片手で頑張れ」
「死ねシャルナーク」
 そう言いながらハルシャはもう一度手を振り上げる。手のひらではなく手の側面がスイカに叩きつけられたが、悲鳴を上げたのはハルシャであった。
「かっった!」
 シャルナークが笑う。フィンクスとマチも笑った。ハルシャは片手を抑えてシャルナークを睨むとシャルナークは腹を抱えて笑っており、ハルシャは腹立ちまぎれにスイカを蹴り飛ばす。しかしどうしたことか丸いスイカは砂浜を転がっていかず再び悲鳴を上げたのはハルシャであった。
「ごめんごめんそれスイカの色を塗った石だった」
 シャルナークが笑いの合間に必死で発した言葉にハルシャがぶちぎれたのは火を見るよりも明らかであった。畳む

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