No.43
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海中遺跡を発見するに至るまでの経緯は次のようなものである。
シャルナークが違法な電波でテレビ番組を適当に流しながら、オンラインゲームに集中している時のことであった。美術館での盗難という言葉が聞こえて、シャルナークはぱっとパソコンから手を放してテレビの方へ向き直った。ちなみにこの部屋は本来ハルシャのものであり、今、シャルナークはハルシャがいないうちに不法侵入して部屋を勝手に弄った挙句テレビとゲームをしている。この建物とこの町そのものが違法の塊なのでシャルナークの違法行為そのものを追求する者はいないだろう。とにかく美術館での盗難事件についてニュースキャスターが淡々と文章を読み上げていくのを聞いているとどうやらこれはクロロの仕業らしいとシャルナークは思った。というのもついひと月ほど前この美術館に関する正確な見取り図と警備の配置について尋ねられたのだ。その程度であれば一時間で問題ないと答えて、その言葉通り一時間で情報をクロロに投げ渡した。仕事になるかと思いきやその後も特に何も言われなかったのですっかり忘れていたが、クロロはどうやら先日盗みに入ったようだった。クロロ自身ももしやすると忘れていたんじゃなかろうかとシャルナークは少し思った。
その直後電話がかかってくる。シャルナークはいくつかあるスマホのうちの一つをとると案の定クロロからであった。
「あっ団長? 今ニュースでやってるけどさ。なんか壺盗ったんだって? どうせそのことでしょ」
『話が早くて助かるな。単刀直入に言うとその壺に念がかかっていて俺の手持ちではどうにもならない。物にかかった念に強い除念師を知らないか』
「残念だけど知らないな」
『そうか。そこでだ』
「そっちが本題?」
シャルナークが笑うと電話の向こうでクロロも笑ったようだった。
『ああそうだ。除念師はどの道すぐには見つからないと思った。盗んだ壺なんだがこれがどうやら特殊な製法で作られた陶器らしい。念も制作の過程で作られたそうだ。そしてその壺を制作した場所と制作の手法に関する手記が残っていると聞いた。場所を調べてくれ』
クロロは壺に関する情報を淡々と読み上げていく。どうやら壺に記載があるらしい。勿論念によって隠された記載だ。シャルナークはオンラインゲームの画面を閉じてすぐに情報屋に当たる。情報屋は速度と正確さが命なのでシャルナークが送った五件のチャットのうち二件が即座に返ってきた。残念ながらその二件から価値のある情報は得られず、その後数分後返ってきた一件のチャットがどうやら核心をついたものになったようだ。
シャルナークは通話のまま机に置いておいたスマホを手に取る。
「団長? うん、今一件それっぽいのがあった。かつてあった陶芸の都、芸術が発展し特に陶芸の分野で大きな価値のある作品を残している。でもその都自体はもうなくてそれでその都の中央にあった神殿が海に沈んでるんだって。そこには技術の粋が詰め込まれていたって話だからそれじゃない?」
『海の底か……そういえばシャルナークには人形を使う知り合いがいたな』
「ちょっと待ってそれハルシャのこと?」
その瞬間、ドアがバンと叩きつけられるように開いてハルシャが紙袋を抱え立っていた。
「ちょっと」
『ちょうどいいそこにいるな? 人形を二体ほどレンタルしろ。今回の任務に同行してもらう』
「えー、ちょっと待ってすごく今面倒なことになってる」
嫌だなぁと呟くもクロロが頼んだぞと言うのでいいえとは答えられなかった。
「おっけーハルシャ。何から謝ればいい? ところで仕事を頼みたいんだけど」
その瞬間ハルシャの投げたカニ缶がシャルナークの頭に直撃した。畳む