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No.37

ドロボウまみれ

ティナリと蒼月
 子どもの洗濯物はいつの時代も両親を困らせる代物である。彼らはまるで予測のできない汚れと共存しており、帰宅して脱ぎ散らかした洋服はとても知りうる知識では即座に洗い落とすことが難しい謎のシミがついているものだ。
 はてさて、ティナリと蒼月はよく両親を困らせた。二人は全身泥にまみれて帰ってきたことも、リシュボラン虎の糞の中で暴れたと思うことも、得体のしれないきのこの胞子に包まれて帰ってきたことも無数にある。
 此度、母が悲鳴を上げたのは洋服といい尻尾といい翼といいありとあらゆるところにドロボウをひっつけて二人が帰ってきたからであった。もはやドロボウの精霊と呼んでも差し支えのないその姿に母は呆れ返って笑いしか込み上げなかったという。
 ふさふさとしたドロボウに包まれて別の生き物に見えたという話だ。畳む


2024/05/10

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