No.35
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職位に似合わぬ古く狭い家をフィネフェルもセノも気に入っている。家を広くするということに強い関心も持てず、学生時代から使っている古いアパートで生活しているのだが、大家はマハマトラがいると治安が良くなったと家賃を下げてくれたので二人はますます出ていく理由もなくなったのだった。二人での生活も苦ではないが、二人共起きる時間が近いこともあり、洗面台で渋滞を起こすのは少しばかり手間であるようにも思う。
そんなフィネフェルが編み出した手法が、セノとの身長差を利用した、セノの頭の上のスペースの活用である。頭一つ分ほどの差を利用して、フィネフェルはセノの頭越しに鏡を見ながら歯磨きをするのだ。初めてその方法で時短したところ、セノはもごもごと何か文句を言っていたようだがフィネフェルはよくわからないことをいいことに黙殺している。おおかた、身長がでかいことに対する何かしらであることが推察されるのでつむじを押しておいたところ、次の日からジャッカルヘッドをかぶるようになったので今は耳の間から鏡を見ている。畳む