No.28
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フィネフェルの雷の日ボイスは「夜でも雷の光があると安心する」なんですけど、それって暗闇が怖いフィネフェルのことを守ってくれるセノみたいだよねっていう話になりまして、大変イイナと思ったSSです。
その日は旅人ともに稲妻の秘境の探索に誘われ、ともに道行くさなかで雨に降られたのだった。
フィネフェルはその身にかけられた呪いの関係で、特殊な事例を除いてセノから離れることはできなかった。けれども周囲の環境に人や動物がいなければ一人で活動しても問題はない。彼の呪いが厄介なところは本人には影響がなく周囲の人間を滅ぼしてしまうところにある。ところがこの呪いを受けない特例が一人いる。それが旅人とパイモンであった。この事情についてセノもフィネフェルも知りたがったが、旅人は自らが世界の外から来た人物であることを吐露しなかったため旅人が呪いの影響を受けない理由については二人にとってはいまだ謎のままである。ただ、どうであれ旅人とならば大丈夫であるという確信はフィネフェルを安心させるものだった。
岩陰に隠れて雨が収まるのを待つ。その間に食事にしようと旅人は煮炊きを始めたが、フィネフェルはいまだ薄明るい空を眺めるように雨のあたらないぎりぎりのところで立っていた。
「フィネフェルー! ごはんだぞ!! 旅人のごはんは美味しいんだ!」
「ああ、今……」
「うん、ごめんフィネフェル。そういえば暗いところ苦手だったね。こっちで食べよう」
「へへっおいらが言ったんだからな!」
旅人が差し出した器の中にはあたたかなスープが盛られていた。油が浮いているようだが、フィネフェルはこの料理を見たことがない。
「璃月の。食材が少し足りなかったからあり合わせだし調味料もちょっと違うけど」
「へぇ。うまい。スメールも調味料が豊富だけど、これはやっぱり独特だな……今度レシピ教えてくれよ」
「うん、書いておく」
鋭い味のスープは体を温めてくれる。稲妻は気候の変化が大きく今は冬にあたるため雨が降ればより寒さが身に染みる。同時に二人がこの天候を避けた理由はもう一つあった。稲妻の雷は非常に激しいのだ。下手をすれば周囲が更地になるほど猛烈な雷が落ち続けることもあり、木々の間を縫って歩いたとしても決して安全とはいいがたい。雨が降ったら黙って避難する。それが一番賢い生き方だった。
立ったまま食事を終えて、皿を片付けてもまだ降りやまぬ雨と雷鳴を聞く。フィネフェルはぽつりと「昼間の雷にはあまり感傷がないな」と言った。
「どういうこと?」
「ん、明るい時に落ちる雷だから、まぁ危ないなって思うだけってこと」
「じゃあ夜の雷は?」
「……すごく明るい光。あればあるだけいいもの、暗闇を照らしてくれるしなるべくそばにあってほしい。どんな暗闇よりも雷があったら安心する」
「そっか。でもそれってなんかセノのことみたいだね」
フィネフェルは表情豊かだ。常に一緒にいるセノが顔の筋肉をすべてそぎ落とした人間なら、その筋肉が全部フィネフェルに移植されているのかもしれないと思うほどよく笑ってよく怒ってよく泣く。だから今はものすごく驚いて、それから照れたと旅人にはわかった。
「……セノには同じ事言うなよ」
「言わないけどたぶんみんな察してるよ、そのセリフを言ったらね」
「……」
フィネフェルは沈黙したまま口をへの字に曲げて、視線を大きく動かした。どこを見ればいいのかわからない子供みたいな表情は恥ずかしくてたまらない様子だった。畳む
2024.1.7 執筆
#セノ #フィネフェル