No.25
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忙しい中で久しぶりに一緒に食事をするティナリと蒼月。
ガンダルヴァ村のレンジャーになってから、ティナリと蒼月はすれ違う日も多くなった。というのもティナリはレンジャーたちの活動や知識に関しての調査・講義などで常に何かしら仕事を受け持っており、蒼月はティナリの補佐としてティナリから頼まれた資料集め・各所への連絡で忙しくしていたのだ。お互いへの連絡は手紙で机に貼り付けておくということもしばしばで、一週間お互いの顔を見ることもない、ということもざらだった。
しかしそうなると不満も貯まる。教令院を卒業しレンジャーとなってそこからついに一歩を踏み出し恋人となった二人が、一週間も顔も合わせず紙だけでやりとりをするなど不満にならないわけがなかった。そんなこともあってお互い少し苛立ちや不服を抱えながらなんとか落ち着いてきた頃、蒼月は家の入口で久しぶりにティナリの顔を見たのだった。
「ティナリ? 大丈夫?」
ティナリがあまりにもひどい顔をしていたので思わずそう口にすると、ティナリは蒼月の首に腕を巻き付けてそのままぐだっと力を抜く。
「ちょっとティナリ頑張って歩いて、私じゃあなたを運べないわ」
完全に体重を蒼月に預ける形になったティナリに蒼月は何とかベッドまで連れて行こうとするが、ティナリの体重を運べるほど蒼月は力がなかった。ティナリはしばらくの間蒼月に抱き着いて動かなかったが、数分するとようやっと顔を上げる。
「ユエの匂いを久しぶりにかいだ気がする」
「久しぶりに顔を合わせた一言目がそれ?」
蒼月は思わず笑うと、ティナリの頭をぽんぽんと叩いて「中に入りましょ。私はちょっとだけ手紙を出したらすぐに戻るから」と言う。ティナリはその言葉に「うん」と頷いてふらふらと家の中へ入って行った。
蒼月はすぐに家のすぐ脇にある鳥かごに向かうとその中から一羽の鳩を取り出した。その足に手紙を結び付けて「いっておいで!」と解き放つと鳩はスメールシティの方へ飛び去る。蒼月はすぐに家に入るとティナリは机に突っ伏して半ば眠っているようだった。久しぶりに会えたのだ、話をしたいのは山々ではあるが疲れているティナリを起こしたくもない。すぐに報告しなければならないことがあるわけでもなし……と蒼月が思いながらそっと部屋を出ようとするとティナリが顔を上げる。
「待って。ユエはまだ仕事残ってるの?」
「え? ううん、別に……ただティナリが疲れてそうだったから……」
「やだ。もう何日もユエと顔を合わせてないのに、これで僕が寝たら次にいつユエと話をできるかわからないじゃないか。食事にしようよ、ユエ」
ティナリの言葉に蒼月はにっこりと笑った。
「うん!」
料理というものは疲れている時にするべきものではないな、と感じたのはおそらく作った二人であろう。
口の中に広がる奇妙な甘みは少なくとも肉と共に味わうものではない気がする。臭みを消すためにハッラの実を使ったつもりがどうもザイトゥン桃のすりおろしをぶちまけたようだ。ティナリもありあわせの材料で作ったバターチキンカレーを口に入れてしばらく動かなかった。
「バターチキンってチキンを使うんじゃなかったっけ」
「え、何が入ってたの?」
「これは多分カエルじゃないかな……しかもまるまる……一匹」
ティナリはスプーンで皿の中をかき混ぜるともう一匹出てきた。なるほどカエルである。しかも錬金術に使うためのわりと貴重なカエルだ。カエルを食べることに抵抗はないが、錬成する予定のオイルの材料を使ってしまったことには何とも言えぬ虚無感があった。
「こっちのお肉、絶対ザイトゥン桃が入っていると思う」
「えっ、本当に? 何度も確認したんだけど……うわ本当だ」
ティナリは蒼月の皿から肉を一欠片とると口に入れてなんとも微妙な顔をした。肉に甘みをつけることが悪いのではない。しかしこの料理には少なくとも塩と香辛料が欲しかった。
他の料理も何かがおかしくて、しかし疲れている二人にはなんだかそれが面白くなってきてしまった。蒼月が笑い出し、次いでティナリも笑う。
「もうめちゃくちゃ! 本当に疲れてるときに料理をするものじゃないね!」
「やだもう! なんで私カエルなんて入れたんだろう! 今度から貯蔵庫の整理を徹底しなきゃ」
「あー、面白かった。めちゃくちゃだったけどユエと食事ができてよかった。僕たちももう少し仕事の量を考えないとね。きちんとした仕事にはきちんとした休息も大切だ」
「そうね、本当にそう。もう少し仕事の分担を考えましょう? それでちゃんと一緒に食事をする時間を作りたい」
「僕もだよ。でもその前にたぶん僕たちは寝た方がいい」
「それも、そう。おやすみなさいティナリ」
蒼月は立ち上がってティナリのそばまで行くと額の髪をどけてキスをした。ティナリはくすぐったそうに笑って「おやすみ」と言った。畳む
2022/9/15 執筆
#ティナリ #蒼月 #賢者は翠海に揺蕩う