No.19
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今日はひどい一日であった。四時間程度の予定であった見回りはリシュボラン虎の密猟者の発見により伸びに伸びて結局密猟者を捉えてスメールシティの三十人団のところまで送りつけてようやっと仕事が終わったのだ。交代の手続きを終えてティナリが自室に帰った頃には夜の二時を回っていた。ティナリはシャワーも全部明日で構わないからとにかく寝ようと部屋の明かりを点けるとベッドが膨らんでいる。その時になってティナリはようやっと蒼月との約束を思い出したのだった。
今日はティナリの母の誕生日であった。実家にはすぐに戻れないので蒼月と共にちょっとした贈り物を準備して、最後に二人の写真を入れて一緒に送ろうねと約束をした。それが仕事が伸びに伸びて待っていた蒼月もついには疲れて寝てしまったのだろう。
彼女が自分のベッドで寝ていることを責めるつもりはない。密猟者に気をとられて約束を忘れていたのはティナリの方だ。しかし同時に疲労のあまり頭が回っていないことも確かだった。自分のベッドが使えないのでティナリはよろよろと梯子を上り二階に上ると蒼月のベッドにばたり、と倒れ込んだ。そのまま眠りに落ちるまで時間はかからず次の日の昼過ぎにティナリは目を覚ました。昨日のことを謝ろうと思ったが蒼月はいない。仕事の予定表を確認すると今日の昼から蒼月が見回り当番になっていたので今日は一日帰ってこないだろう。謝るのは明日だろうか、と思っているとまた眠気がやってきてそのまま蒼月のベッドで眠りに落ちた。彼女の香りが心地良かったというのも事実である。
さてその後、自分のベッドでびしょ濡れのまま寝ているティナリを見つけてさらにはヒルががっつり食い込んでるのを見て悲鳴を上げたのは蒼月である。蒼月は自分の羽でさっさとヒルをはらってなんとかティナリを起こすととりあえずシャワーに入れて家中の掃除をした。
ティナリが密猟者確保のため入り込んだ区域は森の奥の奥に該当しこの区画は特に特殊なキノコの胞子が飛び交っているのだ。その胞子をたっぷり持ち込んだままうっかり湿度が高まれば家の中でキノコが大繁殖してしまう事態になりかねない。ついでにあの地区のヒルは色々と病気を持っていることで隔離されていたということもある。この後ティナリが蒼月によってビマリスタンに叩き込まれたのは言うまでもないだろう。畳む
2022/9/5 執筆
#ティナリ #蒼月 #賢者は翠海に揺蕩う