ヨゴトノリトのパラドクス

初詣

曜次、初詣に行こう」
 夏油傑がそんな風に声をかけてきたのは、十二月の終わりの寒い日のことだった。
 手がかじかむ冷たい風を避けるためにマフラーを重ねて巻いて、コートを着てなんとかこの寒さをやり過ごそうとしている曜次は、傑が初め何を言ったのかわからずぽかーんとしていた。
「君のことだから初詣なんて行ったことがないんじゃないかと思ってね」
「まぁ、新年は神社の仕事が忙しいから」
 曜次は鞄の中をごそごそと探して手帳を引っ張り出す。傑がそれを覗き込むと、なるほど年末から年始にかけて、曜次は神社での仕事が山のように入っており、とても初詣などという神社を詣でる側の予定は入りそうになかった。
「それも知ってる。でも一月はいっぱいいっぱい忙しいわけじゃないだろう? 君の仕事が落ち着いたら行こうって言っているんだ」
「ほんと?」
 曜次の瞳がきらきらと輝いた。
「そしたらお正月から二週間後ぐらいまでには仕事は落ち着くから」
「それじゃ二週間後ぴったりに行こうか。甘酒を飲もう、温かくて美味しよ」
「そんなところで飲んだことない」
「だろうね」
 出店の甘酒なんて曜次には今まで縁がなかったものだろうと傑は笑って、なら一緒に飲めばいいよと言った。
 十二月の約束はあっという間に当日になる。寒さは和らぐことなく、ますます冷たい風が吹きすさび、当日はちらほらと雪が降っていたが、何、出かけるのに不自由するほどのものではない。
 曜次はこの日のことを大層楽しみにしていたので、朝は五時に起きて、約束の七時までの間、窓の外を眺めて過ごしていた。高専の寮の窓が時々寒風に吹かれてがたがたと揺れる。わずかな隙間からも寒気が入り込んできて、暖房がなければとてもやってはいけない温度だったが、着物をしっかりと着込んだ曜次は暖房もつけないで、刀を横に置いて傑が迎えに来るのを待っていた。
曜次?」
 時刻は七時、ぴったりの時間に扉の向こうから傑の声がする。
 曜次はぱあっと顔を明るくして刀袋をひっつかみ、部屋の戸を思い切り開ける。勢いのあまり引き戸が壁にぶつかって戻ってきたが、傑が抑えたので曜次が扉に挟まれることはなかった。
「なんだ随分気合が入っているじゃないか」
「傑はいつも通りだなぁ。俺もいつも通りだよ。神社に行くときはいつも着物だからね。仕事着さ」
「にしては新しいように見えるけど」
「友達と初詣に行くって言ったら新しい着物セットで送ってくれたんだ、父さんが」
「君の家はいつも極端だな……まぁいいや行こうか」
「傑は着物着ないの?」
「着ないよ。持ってないし、着付けもできない」
「俺がやってやるよ」
 曜次はぱしっと傑の手を掴む。
「使ってない着物もいくつかあるからね、ちゃんと着物と合わせた生地で羽織もある、折角だから傑も着物にしよう」
「うーん、まぁいいか」
 傑はそれ以上考えるのをやめた。曜次がこう言い出したら基本的に止まらないことをこのもう少しで一年になる期間の間に十分学んだからだ。
 曜次の部屋はさっぱりとしていてほとんど物を置いていない。机の上に少しだけ、傑が遠くに出かけたときのお土産がちょこんと乗っている。クローゼットの中は、スラックスと白シャツばかりで、毎日全く同じデザインの物を着まわしているようだ。ベッドの下に物を置くこともなくすっきりとした部屋は、男子高校生にしてはあまりにも物欲に欠けているようにも思える。
 曜次はスラックスと白シャツで埋め尽くされたクローゼットを開くと、床に置いてある比較的大きな桐ダンスを開いた。中には着物がぎっしりと詰まっており、そこからだけは曜次の日常がほんの少し香る気がするのだった。
「どれがいいかな、傑は黒が似合うから黒にする? あっ、派手なのもあるよ」
「そうだな折角だし明るい色にしようかな」
「いいね、じゃあ赤にしようか」
 曜次はふんふんと言いながら、着物を引っ張り出す。着物の小道具は扁平な桐ダンスの上の小さな箪笥の中に詰め込まれているようで、牡丹の花が散る派手な着物に合わせて赤い羽織の留め具を取り出した。
「襦袢とかも予備があるからそれ使えばいいよ。外寒いから羽織も貸すけど、インナーに温かいものを着ると安心だけど、持ってる?」
「インナーはあまり持ってないな。コートじゃだめかな」
「まぁマフラーとコートがあればいいか」
 曜次は授業中には考えられないほどてきぱきと着物を着るのに必要なものをまとめて、傑に服を脱ぐように指示するとささっと着つけていく。傑も曜次も身長はあまり大きく変わりないので裄丈は気にしなくても十分だった。裾に赤い牡丹が舞う着物は少々派手だったが、傑は気に入った。曜次は首をかしげながら、袖から裾へ続く模様のバランスを気にしている。そして最後に地と同じ黒の羽織を持ってきて、羽織留めをちょちょいと取り付けると傑の肩にかける。
「よしっ完成」
「うーんちょっときつく結びすぎでは?」
「着崩れちゃうからそれぐらいの方がいいよ」
「そうかな」
「そうだよ」
 着物に関しては曜次の方が詳しい。そんなもんか、と納得しながら傑は曜次の部屋の中をぐるぐると軽く歩いてみた。多少裾が弾けるが、暖房を入れていない部屋でもあまり寒さは感じない。この上からコートを着るとおかしいだろうか、と少し思いながら、曜次のベッドの上に放っていたマフラーやコートを手に取る。
「それじゃあ早速行こうか。雪が降っているからね。坂を下りるのにチャリは使わないよ」
「外出許可は?」
「昨日のうちに申請しておいた」
「さっすが傑」
 曜次はにこにこと嬉しそうだ。
 曜次の着物は、様々な小紋が黒地にちりばめられ、またそれらが金糸銀糸で刺繍をしてあるものだから、光に当たってきらきらとまるで宝石のようだ。傑に負けず劣らずの派手な着物だが、曜次が着るとしっくりくるのはなぜだろう。傑は、自分が着てもああはならないな、と思いながら曜次にマフラーを投げた。
「靴は?」
「草履でもいいけど普通に運動靴とかでいいよ。俺革靴」
「私も革靴にしようかな。草履は慣れてないから、でもおかしく見えない?」
「誰も足元まで見てないよ行こ行こ、あの坂道歩いて下るんでしょ」
「そ。夏祭りと同じ神社だからね」
 二人は着物姿で早速外に出た。ちらほらと降っている雪は、このままいけば降り積もるかもしれない。雪は傑の着物の牡丹の花のように大きくひらひらと地面に落ちてはしゅうと水になって消えてしまった。そんな中、傘を差さずマフラーを巻いて歩く男二人。本当なら彼女とでも行きたいところだけどね、なんて夢物語を話しながら高専の敷地を出ると長い坂を下り始めた。
「やっぱ寒いな」
「コートをもってくるべきだったかな」
 羽織を借りたので結局コートを着てくるのをやめてしまった傑は、少し後悔しながら羽織の上から腕をさすった。
「袖から冷気が入り込むから手ぇ突っ込んでおくといいよ」
「それ危なくないかい」
「すべって下手に手をつくより体で受け身を取った方がダメージ少ないだろ」
「それはそうだけど」
 意外なところで意外な正論を言われて傑はぐうの音も出なかった。
 曜次はもちろん刀袋を背負っている。曜次にとっては命の次に大事な仕事道具なので手放すわけがないのだが、本物の刀を持って人混みの中に入るのに、傑はいつも緊張した。悪いことも変な格好もしていないのだから、警察に職質されることはなかろうが、もしということを考えてしまう。
「ああ、そのことなら平気。高専のバッチと銃砲刀剣類登録証があれば見逃してくれるよ。新入りの警官さんだと時間かかることあるけど」
 まるで傑の気持ちを読んだかのようなタイミングで曜次は答えた。袖をごそごそと漁って、中から取り出したのは折れ目のついた登録証だった。
「持ち歩くのはちょっとあれだけど、そこは高専の力ってことで刀袋に入れてれば大体問題ないよ」
「へぇ、初めて知った。曜次もちゃんとしてるんだな」
「なんだよその言い草。俺がちゃんとしてないみたいじゃん」
「違うのかい」
「違わない」
「ほらみろ」
 くすくすと傑が笑うと、曜次はむすっと頬を膨らませた。
「しかし革靴は失敗したね。革が硬くなって木靴にでも足を突っ込んでる気分だ」
「それは同感。草履にしときゃよかった」
「なら早く神社に行って、どこか温かいところで熱い甘酒でも飲もう」
 傑が言うと曜次はぴょんと跳ねた。
「やったった」
 東京都立呪術高等専門学校は、東京のとある山中に建てられている。たくさんの建物が林立する様は圧巻だが、いかんせん山の中すぎて、町に出るまで結構な坂を歩かないといけないのが面倒だ。ほとんどの生活用品は高専内で賄うことができるが、こうして神社に行ったりする場合は、任務に合わせて行くか、今の傑たちのように長い坂を下って行くかしか方法がない。自転車を使うのも手であるが、帰りの遠大な上り坂を考えると、安易に自転車に手を出すわけにはいかなかった。
 傑と曜次は長い長い下り坂を下り切って、ようやっと人がちらほら見られるような町に出ると、そのまま歩いて神社へ向かった。
 神社の周りにはまだたくさんの出店が出ている。今日は休日であるから、遅い初詣の客を引き込もうという腹だろう。そういえば傑も曜次も朝ご飯を食べていない。先にどこかで調達していこうということになり、二人はあれこれ屋台を覗き込んで結局大きなたこ焼きを四つ注文する。勿論二つずつ食べる計算だ。成長期の男子高校生にはこれでも足りないぐらいだが、そうたくさんお金を持ってきているわけでもないので、残りは甘酒に使おうということになった。
 スピーカーからはにぎやかな音楽が流れ、出店をさらに派手ににぎやかしくしている。その先にある神社には列ができており、前の方からぱんぱんと手拍子を打つ音が聞こえてくる。傑も曜次もその列にならんだが、ふと顔を上げた曜次は嫌な顔をして傑の袖を引っ張った。
「傑、あれ」
「ん? ど……あれか」
 はぁと二人はため息をつく。今日は仕事にきたわけではないのだ、それでも見つけてしまったものはしょうがない。神社の奥の方、本殿を超えた先に黒い煙がぽつぽつと立ち上がっている。それは決して火を焚いてできたものではない。呪力が漏れ出ているのだ。それが黒い煙のように見えているのである。
「まずは参拝、それから甘酒! あれは後!」
 どうせあと一時間ぐらい放置したって大して変わらないでしょと曜次が言うと、傑も首を縦に振った。もう手がすっかりかじかんでしまっている。せめて体を温めてから仕事に当たりたいというのが本音だった。
 そんなわけで二人は、のんびりと列に並び他愛のないことを話しながら先頭に来るのを待ち、柏手を打ってから、神社の境内で売っている甘酒を買い、ビニールで囲われストーブの焚かれた椅子の前でゆっくりと甘酒を堪能した。少しべたつく甘酒は、熱々で、舌をやけどしかねないほどであった。
 そうして二人は十分体が温まったところで、立ち上がると嫌々ながらも神社の奥に向かったのである。
 本殿をぐるりと回り込み、裏手に行くと、そこから先は関係者以外立ち入り禁止の札がかかっていた。まだ奥にいくつか建物がありそうだ。傑と曜次はあまり気にすることなく立札を超えて中に入ると、曜次は人の目がなくなったので刀を刀袋から引っ張り出して腰紐にひっかけた。
「どこかな」
「残穢を探してみよう」
 じっと地面を見つめていると、湧き上がるように黒い靄のようなものが点々と続いていることがわかる。二人はそれを追って神社の奥の奥へと進んでいく。
「こら、君たち! 何をしているんだ!」
 声をかけられたのは、宝物庫らしい建物の前に来た時だった。
 着物袴姿にコートを着た初老の男性が、二人の方へと近づいてくる。
「ここは立ち入り禁止だ。しかも……刀? 君たちは一体」
「失礼しました、私たちは坂の上にある呪術高専の学生です、こちらでお困りの物があるのではないかと思い勝手に入らせていただきました。すみません」
 初老の男性の言葉に、傑がさっと曜次の前に出て弁明する。こういう時に曜次に話をさせると大抵こじれるので傑の選択は正しかった。曜次は初老の男性にあまり関心がないので、そわそわと呪物が置かれていると思われるところに行きたそうにしている。それをなんとか押しとどめながら、傑は感嘆に事情を説明する。
「……というわけです。最近厄介なものを引き受けたりしませんでしたか? たとえば、それを受け取って以来奇妙なことばかり起きるような、そんな物です」
「ああ、呪術高専の人が来てくれたのか、それなら助かる。実は黒い靄のような物をまとったぬいぐるみを清めてくれと頼まれていてね」
 どうやらこの神主は「視える」側の人間らしい。呪術高専の名前を出すとすんなりと納得し、柔和な表情になる。そして簡単に事情を説明してくれた。
 神主曰く、預かったのはくまのぬいぐるみだった。だがこのぬいぐるみの経緯は悲惨で、強盗に入られた家の殺された子供が愛用していたものらしい。家族は甚く悲しんで、ぬいぐるみをきれいに洗って仏壇に置いておいたそうだが、毎朝ぬいぐるみは血を流し床に転がっているのだという。それだけではない。ぬいぐるみを預かってからこちら、家鳴りがひどくなり、時にはどたどたどたっとまるで人が走りまわっているような音までするようになったという。そして極めつけは、子供が死んだ時刻になると、子供の泣き声のようなものが聞こえてくるそうだ。これは何かあるということで近くにあったこの神社に持ち込まれたわけだが、視えはするもののどうしたらいいかわからない神主はすっかり困っていたらしい。盛り塩を置いてみても次の日には床に散らばっており、お神酒をかけると、床に血が流れるという。そろそろ本格的にお祓いができるどこかの神社に預けるほかないと思っていたところに来たのが傑と曜次だったというわけであった。
「なるほど事情はよく分かりました。私たちにおまかせください。必ずなんとかしてみせます。そのぬいぐるみのところに案内してもらえますか」
「あっちだ傑」
曜次話がこじれるから黙ってろ」
「ええ、視えているんですね、そうですあちらです」
 神主はひどく疲れた顔をしていた。少々お待ちを、と言って一旦社務所に引っ込んだ神主は鍵を持って改めて傑と曜次の前にやってきた。
「あれは宝物庫の中にあるんです。ほかに置く場所もなくて」
 宝物庫は古い木でできており、いかにも蔵であるという形をしている。扉の隙間から、黒い靄がぽつりぽつりと出ては空に昇っていく。
 神主は重厚な鍵穴に重たそうな金属の鍵を差し込んでがちゃりと回転させた。
 ぎぃぃぃと重たそうな音をして宝物庫の戸が開く。光が宝物庫の中に差し込んだ。宝物庫の入ってすぐのところに塩を盛っていたと思われる小皿が一つ、床に散らばった塩、そして肝心のくまのぬいぐるみが一つぽつねんと置かれていた。
「当たりだな」
「当たりだね」
「やはりあのぬいぐるみは燃やしてしまうべきなのでしょうか」
「いえ燃やしても解決はしません。また別の物に取りつくだけです。曜次
「あいあい」
 曜次が刀を抜くと、ぬいぐるみの中の呪霊は明らかに狼狽した雰囲気を見せた。わかっているのだろう自分が今狙われていると言うことが。それはずるりとぬいぐるみの中から這い出てくる。
 両腕は鋏のように鋭くとがり、顔には口がいくつもあったが、そのどれもが複数ある手でふさがれていた。ぎょろりとまぶたのない瞳があちらこちらを向いて、刀を抜いた曜次を見る。
「よう、お前女の子の呪霊じゃねぇな。さしずめ強盗の方ってところか。ぬいぐるみの中にいれば安心だと思ったんだろうが、そうは問屋が卸さねぇ」
 曜次は一歩踏み込む。その瞬間白刃きらめきぬいぐるみが肩から足の付け根にかけてばっさりと斬られた。神主には曜次が刀を抜いたところも見えなかったであろう早業である。曜次の得意な居合抜きだ。
 呪霊は大きく悲鳴を上げてた。呪霊をはじめとして霊というものは実体を持たないものなので、物についている時が一番安定している。今回でいえばぬいぐるみなのだが、それを斬られたために呪霊にもダメージが入ったというわけだ。どうやらこの呪霊、よほどこのくまのぬいぐるみが好きらしい、いや好きなのは子供の方なのかもしれなかった。顔にある口をふさぐ手はどれも子供のものだ。これは強盗に押し入った際、偶然子供に見つかって子供を殺したのではなく、もともと子供が留守番をしているのを知って押し入ったというところであろう。
「あーあーむかつくむかつく気持ち悪い」
 曜次は今度はゆっくり鞘から刀を抜いた。そして上段に構えると、すっときれいに弧を描きながら刀を振り下ろす。
『ぎゃっ』
 はた目にはゆっくりに見えるのに、刀を振り下ろす速度は素早い。呪霊が何かする間もなく両手が切り落とされ、傷口から黒い靄があふれ出した。
『ぎゃああああ』
 おぞけだつような悲鳴が宝物庫の中に響き渡る。傑も曜次も顔をしかめた。神主は視えはするものの聞こえはしないようで、困ったように呪霊と傑の顔とを交互に見ていた。
「さて、残念だがもう一歩踏み込んで終わりだ。じゃあな、二度と蘇るな」
 刀を振り下ろしたところから下段に構え、今度は振り上げる。次に狙うのは呪力の最も濃いところ、つまり呪霊の核だ。もともと呪力の少ない曜次は呪霊の核を見つけるのが苦手だったが、今回の呪霊はそれを隠せるほど知能はなかったらしい。下段から振り上げた刀の一閃で、呪霊は真っ二つに斬れた。おぞましい悲鳴を上げながら呪霊は形を崩していく。そして完全にその形を亡くしたころには、宝物庫の中はすっきりとした冬の空気で満たされていた。
「お、終わったんですか?」
「ええ。もうこれで問題が起きることはないと思いますよ。もしまだ何かあるようでしたら……名刺を忘れてしまったな。坂の上の呪術高専に話を通してください。呪霊に関することでしたらいつでも相談に乗りますので」
「ありがとうございます」
 神主は深々と頭を下げた。
「ぬいぐるみは焼却処分するのがいいでしょう。一度呪霊憑きになってしまうと他の呪霊を呼びよせることもなくはないので」
「本当にありがとうございます。もしお時間よろしければ社務所の方で温かい甘酒でも準備させていただきますのでいかがですか」
「それはありがたいですね。曜次! もう一杯甘酒だ」
「やった!」
 曜次は刀を持ったまま両手を高く掲げた。
 
20200626
20200714 誤字修正